カオスの弁当

中山研究所blog

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

馬鹿馬鹿しい事柄について

概して馬鹿馬鹿しい話というのは、必ず「語り手が」言わんとするところのものがあって、結局、それに誘導される事への不快さの元である。ただ、注意されたいのは、聞くところ見るところ、馬鹿馬鹿しい話の感想というのは、「語り手」の浅ましさに起因するも…

如是閑の犬、或いは…

(初出:同人誌『XIMAIPA/キマイラ』2020年11月22日号) 【記者=サグ・ンペンペ/胡韻】 『ニーチェの馬』というタイトルの映画がある。未見だが、別にニーチェが出てくるとか、そういう訳ではないらしい。彼の最期に纏わる逸話に触発されて制作された、彼の思想…

仰熒睨寱

自販機は夜更し人間の止まり木である。 帯に短し襷に流し、首を括るには丁度よしという塩梅の大昔に流行った黒くて長い蛇みたいなマフラーを二つ折りにして、その折り目に端を潜り通らせて、ぐるりと巻き付けると、何やら随分と髪を伸ばしたような心地になっ…

口先三寸

人間誰しも少なからず、自分の見ている世界の完璧性を疑わないものである。完璧などということは、即ち自分の見ているものの有り様それ自体なのである。そこに更に「完璧」と呼称し得るものがあるとするならば、必ずその状況には異常の出現が想定されている…

内田百閒『旅順入城式』『蘭陵王入陣曲』

内田百閒の小説のタイトルは外連味のあるものばかりだが、全体作品は軒並み外連味しかない香辛料みたいなのばかりなのだから、却ってそれが正直であり、だからこそ受けるのだろう。 コーヒーでいうとマンデリンのようなものだが、中でも、特に外連味の塊なの…

如是閑と文化勲章

毎年自ずとこの時期になると筆者(本稿筆者)が心身共に調子良くなるのは、文化芸術の秋云々の刷り込み教育の賜物であろう。学校教育の効果を、この歳になると熟感じる。 また、この「秋」は、自尊心の回復期に当たる。幼少期の刷り込み教育のそれと対になるの…