カオスの弁当

中山研究所blog

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

勘所

「機械の性能が向上した結果、人間に残されたのは、箱に物をつめるだの、そんな仕事だけになってしまった」 と、ある漫画家が云った。 成る程、立派な仕事をしている人は言うことが違う、豊かな想像力の持ち主だ、と素直に感心した。 ただ、感心するだけであ…

ラムネとかんぴょう

甘い巻きものであるかんぴょう巻きは、子供時分には得意ではなかった。 米の飯であるところのおかずに甘いものを食べるのに慣れていなかった所為である。 同じ理由で、花でんぶも得手じゃなかった。 最近、それらを平然と食らうことが出来るようになったのは…

山と如是閑(3)

私自身は針ノ木峠という名に一種の憧憬を持っていた。 (中略) この荒廃の感じは、この峠が明治の初年に加賀藩の士によって一度開かれたことがあるにもかかわらず、その狭いつとはなしに荒廃して、初期の外人山岳家などは多くこの峠を登山術を超絶した険路…

山と如是閑(2)

如是閑は屡、ディオゲネスを作品の中に引用、或いは登場させる。また、そのシンボルである樽が小道具として、或いは人間を翻弄する要請的存在として登場する小話が、『山へ行け』が収録されているエッセイ集『真実はかく佯る』(1924年)には収録されている…

山と如是閑(1)

長谷川如是閑(1875-1969)に、『山に行け』というエッセイ(1919年)がある。 「登山の期節が来た。」という緒言で始まる短い文章は、前年、大阪朝日新聞社(以下、大朝)を退社してから彼が、同じく大朝を退社した丸山幹治、大山郁夫らと共に創刊した雑誌…

鯨とひとりもの

浜に一頭の鯨が座礁した。瀕死の鯨を沖に戻す謂れもなく、又食うでもなしに、浜辺の近所の住人は、普段、釣りばかりしているひとりものに、鯨に止めを刺して来るようけしかけた。 渋々、モリを持った男は、自分がモリで突き刺されなかっただけマシだと思い、…

外で物を食うこと

買い食いが好きで、人と出かけている時にでも平気で物を買って食べる。人によってはそれは大分な顰蹙物であろうが、自分は歩きスマホぐらいに買い食いが好きで、その所為で二十歳を過ぎてから体重が随分と増えた。 今日も又、仕事帰りに買い食いした。 買い…