カオスの弁当

中山研究所blog

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

文鎮三昧

文鎮とは隠語で「形ばかりで実際には機能しないもの」を指す。最近では、動かないスマートフォンも「文鎮」というらしい。随分古風な言い回しだと思うが、差し詰め現場では代々昔ながらの言葉遣いが残っているものだから、それらを踏襲したものであろうか。 …

極楽の余り風

日本での生活は一年の半分は湿気に耐え忍ぶものである。クーラーがあっても、それは変わらぬ事情である。 そんなもんだから、自ずと志向は高原へと向かう。涼しく、適度に乾いた環境へ避暑に向かう。燦々と降り注ぐ日差しの元で肌を焼こうなんて発想とは縁遠…

夜汽車の通る風景

100年以上前の絵葉書の画題に「夜汽車」がある。文字通り、夜中、山間部や海浜を走る機関車の絵・彩色写真を刷ったものであるが、今時こういった絵を見るとノスタルジーとかそういう感想が真っ先に浮かぶものであるが、昔はどうだったかというと当然、そうで…

『「世紀末」から「新世紀」へ』

19世紀後半から20世紀初頭にかけて西ヨーロッパで猛威を振るったジャポニズムの影響が、偏西風に乗って「元ネタ」の日本で持て囃されて、結局それが約1世紀経った今でもサブカル界隈で注ぎ足し、注ぎ足しされ続けているーーと最近、改めて思うようになった。…

緋毛氈

Uは竹馬の友であり、彼此二十年来の知己であるが、現実には七、八年音信を取り交わしていない。 然し、何かといえば肝心な時に顔を出して来る奴であって、今日もまたそんな例によって夢から醒めた自分の話を一頻り聴いた後で、 「それは面白いから、そのまま…